モラトリアム

モラトリアム

本来モラトリアム(もらとりあむ)とは、支払猶予期間、つまり戦争、暴動、天災などの非常事態下で、国家が債権債務の決済を一定期間延期し猶予することによって、金融機構の崩壊を防止する措置のことです。

エリクソン E. Eriksonはこの言葉を精神分析用語に転用し、青年期に自分の進路を決定するにあたり、なかなか結論が出せないまま目的もなく過ごしてしまうある期間のこと、「心理・社会的な猶予期間」としました。

これは、性的には成熟した青年期の個体が、異性愛能力や親になることへの心理・社会的準備、自由な役割実験などを社会的遊びを通して試み、社会の中に自己の適所を発見するための準備期間です。

そして社会は、何らかの形で公認された子供時代とおとな時代の媒介期間として、「制度化された心理・社会的猶予期間」を青年に提供しています。

エリクソンはこうした期間を、社会的に成長するために、また、より自分らしい人生を選ぶために必要な時間として前向きにとらえました。

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